6月議会一般質問
平成25年6月14日(金)午後、糸島市議会において一般質問に立ちました。
只今、議長から発言お許しをいただきました。建設産業常任委員会、公明党の笹栗 純夫でございます。最初のテーマ「魅力的で活力あるまちづくりのための施策について」と通告しました。
一問一答に入る前に、なぜこのテーマを通告したのか。私の思いを端的に述べさせていただきます。
私の政治信条は一つに「糸島市にとって有益な情報・施策を日本国内はもとより世界から求め、その情報を検証し、積極的に提案して参ります。」と公言しています。情報はメディア情報やインターネットで溢れています。情報はまさに洪水の如く、その情報を取捨選択し有益性を確認した上で発信しなければならないと常々思っております。
合併4年目を迎え、松本市長のリーダシップのもと、糸島市は追い風が吹いてきたように感じます。そのような期待と予感が私はしています。アベノミクス効果は、残念ながら地方には波及していませんが、座して待つより、打って出ようではないかとの思いから、最初のテーマ「魅力的で活力あるまちづくりのための施策について」と通告しました。
前置きは、それぐらいに致しまして、早速本題に入らせていただきます。
(1) 各分野のスペシャリストを非常勤アドバイザーとなっていただく制度を構築しないか。と通告しました。
適格な答弁をいただくからには、少し補足をさせていただきます。各分野とは、糸島市が市民に提供されている全分野をさします。私が言ってるスペシャリストとは、職員の知識、能力を補完していただく専門性の高い人を指します。
非常勤アドバイザーとは、顧問弁護士の方のような年間契約でなくて、スポット的に必要な時に、アドバイスをいただけるシンクタンクを揃えることによって、糸島市の知名度アップと政策形成能力アップを図っていただきたいとの思いがあります。見解をお聞かせください。
<室長答弁>
各分野のスペシャリストに、非常勤のアドバイザーとなっていただく制度についてですが、本市では、昨年10月から導入しております。この制度は、議員がおっしゃるとおり、市政の重要課題等について、専門的な知識、技術、経験等を有する者から助言、提言、その他の支援を受けて、効果的な施策の展開を図れるよう、各分野の専門家に非常勤特別職として「市政アドバイザー」となっていただくものです。
議員がご指摘のとおり、当該アドバイザーは、常勤ではなく、必要に応じてスポット的に助言、提言、その他の支援をいただくことにしております。ご存知のとおり、昨今、市民の皆様のニーズが多様化し、定住促進や企業誘致などの自治体間の競争も激化しております。
その中で、私は、職員の政策形成能力の向上が重要であると認識しており、アドバイザーからの専門性の高い助言、提言、その他の支援を受けて、より効果的かつ効率的な施策を展開し、市民の皆様の満足度を高めていく必要があります。ひいては、そのことが、糸島市の魅力向上につながり、知名度を高めるものと考えております。
(2)ネーミングライツ(命名権)を導入し、スポンサーのお力をかりて、糸島の自然の魅力を全国に発信しないか。
2番目の要旨「ネーミングライツ(命名権)を導入し、スポンサーのお力をかりて、糸島の自然の魅力を全国に発信しないか。」でございます。私は、facebookで800人を超える方々と交流しています。私の親友から5月15日産経ニュース「鳩サブレーの老舗に命名権 鎌倉の海水浴場」を教えていただきました。
私がこの情報に飛びついたのか。丁度40年前システムエンジニアの駆け出しのころ、神奈川県鎌倉市材木座に2週間ほど滞在した折、土日は朝ランに由比ヶ浜海岸に行っておりました。鎌倉市由比ヶ浜海岸に風景、浜辺の潮の香りが戻ってきました。
早速、鎌倉市市民活動部、観光商工課観光担当に電話で取材させていただきました。ご担当の方も、「職員提案でネーミングライツ・パートナーが決まり喜んでます。あまりにも反響が大きいのに驚いてます。テレビ局の取材もありました」と。私がご担当の方に「鳩サブレーで有名な株式会社 豊島屋さんは、何がメリットで応募されたんでしょうか」と失礼な質問をしました。
ご回答は、「企業8社、個人1名の応募がありましたが、豊島屋さんは、海水浴場の名前を鎌倉市民や海を愛する人から公募し、皆に愛される名称を決めるとご決断いただいたことと、社会貢献をしたいとの崇高なお考えが決め手になったと思います」とご返事をいただきました。
米国の自動車王フォードは「奉仕を主とする事業は栄え、利得を主とする事業は衰える」との言葉を思い出しました。
もう一つ伺いました。「歳入が予定される年間1200万円、10年で1億2000万円は何に使われるのですか」との問いには「鎌倉市も由比ヶ浜、材木座、腰越の3海水浴場に4500万円の税金を投入しています。維持管理費に充当したいと考えています」と回答いただきました。
糸島の海岸も漁業従事者は勿論のこと、ボランティアの方などで清掃活動をされています。シャワーやトイレも十分ではありません。鎌倉市に一歩先を越されましたが、糸島市でも十分検討する価値があると思います。見解を伺います。通告で「糸島の自然の魅力」との観点で申し上げれば、伊都国歴史博物館から眺める眺望も非常に価値があると思っています。伊都国が栄えた原風景を残すために、松本市長の頑張り高圧送電線の地中化を九州電力に求められたのではないでしょうか。併せて答弁をお願いいたします。
<室長答弁>
ネーミングライツが成功している例は、集客力に優れた施設に導入していることが多く、中には年間100万人以上が利用する施設もあります。議員がおっしゃられました鎌倉市の海水浴場も毎年100万人以上の来場者がある人気スポットです。
本市の場合、この規模の集客力を持つ施設がないのが現状で、スポンサーとして募集いただける企業があるかどうか、また、既存施設の名称は、市民公募で決定したものや地域名を付けたものが多く、長年市民の皆さんに親しまれているため、施設名が変わることにご理解をいただけるかなど、様々な課題が生じるものと想定されます。
このように、身近な施設の名称を変更するには、住民の理解と合意が不可欠であり、また、企業のメリットなども考慮しなければならず、ネーミングライツの導入は今後の検討課題であると考えます。
(3)福岡市と連携しての市民参加型フルマラソン開催で糸島市は参加者、スポンサーの期待にどうお応えするのか。3番目の要旨「福岡市と連携しての市民参加型フルマラソン開催で糸島市は参加者、スポンサーの期待にどうお応えするのか。」でございます。これは、通告要旨の通りでございます。市長のお気持ちをお聞かせください。
<市長答弁>
参加者の皆さんには、福岡市中心部のダイナミックな都市活力と同時に、糸島の自然環境の豊かさを体感しながら走り抜け、さわやかな汗をかける、魅力あるコースにすることで期待に応えたいと考えています。 また、沿道やフィニッシュ地点で、糸島の特徴を生かした、糸島ならではのおもてなしをすることができれば、糸島を満喫し、満足していただけるものと思っています。
さらに、公認コースの認定を受けることで、走行タイムが公式認定され、ランナーのモチベーションが高まり、参加の動機付けにもつながります。
スポンサーの期待に応えるためには、全国的に魅力あるイベントにすることが必要です。そのために、さまざまな総意工夫を凝らしながら、話題性やPR効果のある大会にし、注目度を高めて、協賛企業の宣伝効果をアップさせるように努力してまいります。
4番目の要旨「糸島市のお土産や特産品を販売する「いとしま物産館」(仮称)誘致に乗り出さないか。」でございます。
私が考えている「いとしま物産館」は従来型の土産専門店ではありません。どこの観光地でも、土産専門店は経営に苦労されています。知恵を振り絞って糸島版物産館を誘致しませんか。馬場部長の答弁に期待しています。
<部長答弁>
・ 私どもの発想としては、糸島全体が一つの物産館であり、テーマパークだと考えています。
・ 沢山ある糸島の魅力、特産品などを一つの物産館、施設の中に入れ込んでしまうのには無理があり、仮に入れ込んだ場合、その魅力が半減してしまうと思っています。
・糸島という大きな物産館の中で、地元事業者が切磋琢磨し、魅力ある物産館をつくり上げてもらいたいと思っています。そのためには、市も積極的に支援を行ってまいります。
もう少し詳しく申し上げますと
・ 市内には、多くの観光客が訪れています。
・観光客の皆さんは、1か所で買い物をして終えるのではなく、いろいろな地域の歴史・文化、風景や香り、人との会話、雰囲気、そこでしか味わえない食べ物などを楽しみに観光しています。
・ また、お店なども、商品の取り揃えやメニューづくりなどに努力されています。
・そのため、それぞれの地域性、魅力を大事にしながら、糸島全体を周遊していただけるような観光を目指しています。
<再質問1>
「まるごと物産館」構想大歓迎します。ワクワクします。
最近の私が体験したことを紹介させていただきます。
去る6月6日、イマジンハウスにて開催されていた「木の香の里 作品展」に参りました。一つの作品に目が止まりました。木彫りを初めて1年の方が「物語を作品にしました」と言われました。その物語とは、庭に芽を出したどくだみ草の成長過程を観察し、5枚の木彫りの皿にその成長過程を刻み込んだと言われました。どくだみ草は薬草ではありますが、あまり注目する人は少ないのではないでしょうか。
感動して、お話をお聞きしました。直感的にこれだ!と思いました。
人は、作品という「モノ」にお金を払うのではない。「物語」や「夢」を買うのではないでしょうか。どんな業界であっても、「物語」を伝えることはとても大切だと考えますが、馬場部長はどう思われますか。
<部長答弁1>
・ 議員がおっしゃる通りだと思っております。
・「糸島市に来てもらう」また「糸島市の物を買ってもらう」ための手法として、これらの物語を広く伝えていくことは、非常に有効であり、重要であると考えています。
・糸島市には、古くからの歴史があり、祭りや風習などの伝承文化を伝えていくことは重要です。
<再質問2>
馬場部長の熱い思いは十分伝わってまいります。奇しくも6月14日、本日、政府は「成長戦略」の閣議決定がなされました。その成長戦略に沿って来年度の予算編成作業がなされます。そのような動向や予算付けを見逃さず、「いとしま・まるごと物産館」の中心拠点づくりも視野に入れていただきたいと思っていますが、如何でしょうか。
<部長答弁2>
・最初に申し上げたとおり、糸島市の魅力・特産物を1つの箱に入れ込んでしまうことは、その魅力を半減させるものと思っております。
・市内各地を回遊してもらい、お金も落としてもらう糸島市全体を「まるごと物産館」とする構想を持っています。
・ただ、議員ご指摘の国の予算編成・動向等については、主として中小企業振興策に注視し、情報を把握させていただきます。
・その中で、市内の中小事業者が使える支援事業などがあれば、活用できるかどうかを検討させていただきたいと考えています。
自転車駐車場の整備について
(1)違法駐輪自転車取締りとともに、自転車駐車場を確保することも重要と考える。JR筑前前原駅を除くJR各駅の現状と今後の整備状況を伺う
2番目のテーマに移ります。全国どこの自治体も苦労している課題です。簡単には解決できません。自治体を悩ます課題の一つであろうかと思っています。
糸島の今後の発展を考えたとき、やっぱり今、言っておかなければとの思いがしています。
人口増を目指す糸島市として、その受け皿作りが重要になります。
通告の1番目「違法駐輪自転車取締りとともに、自転車駐車場を確保することも重要と考える。JR筑前前原駅を除くJR各駅の現状と今後の整備状況を伺う」と通告しました。
一般質問するにあたり、糸島市民の方も利用されているJR周船寺駅からJR鹿家駅の10駅の状況を見て参りました。私なりの見解を持っていますが、JR筑前前原駅を除くJR各駅の自転車駐車場の状況をご報告下さい。
JR筑前深江駅などエレベーター設置や自由通路設置が決まっている駅についても、今後の整備で自転車駐車場がどのように確保されるのかも合わせてご報告下さい。
<部長答弁>
市内全駅に自転車駐車場は設置されています。ただし、一貴山駅以西については、福吉駅を除いて、北側や南側のみの設置となっています。
前原駅を除く主な駅でございますが、波多江駅には、北口に3箇所、南口に2箇所の市が設置している駐車場があり、収容台数が800台、利用状況はほぼ満車に近い状態となっています。また、一貴山駅には、市が管理する駐車場が2箇所、収容台数90台、利用状況は約90%となっています。
それ以外の駅については、駐車場には余裕がある状況となっています。
JR筑前深江駅自由通路は平成25年2月25日に都市計画決定を行いました。
これに併せ、筑前深江駅駅前広場計画案を作成し、新たに駅の北側に約70台、駅の南側に約130台の自転車駐車場を設置する計画です。
<再質問1>
ご答弁ありがとうございます。状況はわかりました。自転車の駐輪について、全駅とも確保されているようですが、自転車駐車場の屋根が付いているところ、自転車を止めていい空地を用意してある程度のところや、駅の階段の下だと雨に濡れないのでそこに駐輪してある駅もあります。
観光客を向かい入れようとするならば、全駅とも駅は糸島の玄関であると認識していますが、如何ですか。
<部長答弁1>
駅は、糸島市を訪れる方を迎える場所であり、送り出す場所であると考えていますので、糸島市の玄関であると認識しています。
(2)JR筑前前原駅北口から離れたところに、自転車駐車場がある。使い勝手が悪いと指摘されてきた。解決に踏み出すべきと考える。同駅南口の自転車駐輪許容台数が不足している。どう解決するのか。
通告の2番目「JR筑前前原駅北口から離れたところに、自転車駐車場がある。使い勝手が悪いと指摘されてきた。解決に踏み出すべきと考える。同駅南口の自転車駐輪許容台数が不足している。どう解決するのか。」と通告しました。通告した通りの思いを持っています。JR筑前前原駅南口は、市道「弁坂線」に拡張工事と関連もあろうかと思います。それも考慮した上での答弁を求めます。
<部長答弁>
前原自転車駐車場については、出入り口が東側でなく駅とは逆方向の西側になっていることから、利用者が駅に行くのに遠回りをしている状況にあり、利用率が低くなっています。前原自転車駐車場から東側への出入口及び新たな自転車駐車場の設置も含め、今後の北口の自転車駐車場のあり方について、検討したいと考えています。
前原駅南口では、一部の人が歩道に無断駐車していましたが、指導を行い歩道への無断駐車はなくなっています。歩道に駐車していた人が、JAポルタの駐車場に止めるようになったことから、収容台数300台に近い利用状況となっています。引き続き、JAポルタでの預かりをお願いしたいと考えています。
なお、都市計画道路「前原駅南停車場線」は南風台から前原駅南駅前広場までを整備する計画ですが、自転車駐車場施設の整備はこの事業に含まれていません。
<再質問1>
前段で、糸島市の玄関は全ての駅であるとの答弁をいただきました。しかし、市役所、中心市街地にちばん近い駅はJR筑前前原駅であり糸島市の代表玄関ともいえると思います。北口には、駐輪を補完していただいている民間の自転車駐車場もあることから、中心市街地活性化を考慮し現在の市が管理している市役所横の自転車駐車場の移転も選択肢の一つと考えますが如何でしょうか。「タワー式自転車駐車場」設置を計画している自治体もあります。八王子駅南口の駐輪場はタワー型で地下機械式。地上の出入り口から自転車を入れると、地中にある駐輪場に入る仕組みになっています。駐輪場は計6基設けられ、約1,250台分のスペースが確保されています。見解をお聞きします。
<部長答弁1>
駅周辺市街地では必要な規模の土地を確保することが困難なため、地下空間を利用した地下タワー型自転車駐車場のニーズは高まっています。ただ、前原駅の駐車場につきましては、まずは、財政負担の少ない実現可能な方法を検討してまいりたいと考えます。