読 むだけですっきりわかる日本史(前半) 後藤 武士著(私の読書 第6回)
6月がやがて終わろうとしている時期、買い求めた本は後藤 武士著「読むだけですっきりわかる日本史」でした。
日本史を勉強したのは高校2年生までと記憶しています。日常が多忙でもっと実用的で、今すぐに役に立つ書籍を読んだらと自問自答しました。 書店で本書のまえがきを立ち読みし、読んでみたいとの衝動に駆られました。
「文庫版 まえがきに」
対象 歴史嫌い、歴史が苦手な人。
条件 とにかく一冊にまとめること。教科書レベルの内容は全て取り扱うこと。
難しい歴史用語は使わないが解説を加えること。
教科書に載っていないことでも有名なエピソードは網羅すること。
何より分かりやすく面白くて一気に読めてしまえるような本であること。
この「まえがき」が読むきっかけをつくってくれました。
確かに、「面白くて一気に読めてしまえるような本」であることは間違いありませんでした。しかし、現実は時間をひねり出しながらの読書となってしまいました。 数万年前の旧石器時代から大正~現代まで335ページで読めたのは随分得をしたなとの感想です。巻末に「重要用語」索引があるのも本書の価値を高めてくれています。
以下、心に残った言葉や史実の一部をご紹介します。
・過去に起きた事件やその経緯を知っていれば、様々なことが予想できるんですね。案外世の中の動きや人の思うことって昔も今もそれほど変わらないんですね。歴史から学んでいれば逃れることのできた悲劇は実に多く、似たような例があったにもかかわらず歴史から学ばなかったために起こしてしまった不幸もまた数え切れないほど、歴史って実はとても役に立つ学問なんです。データの宝庫といってもよいでしょう。(はじめに)
・縄文時代はなんと1万年以上ももの長い間続いた。一口に1万年というけれど、はるかかなたイスラエルの地にキリストが生まれてから、まだたった2千年とわずか。そう考えると縄文時代がどんなに長く続いたかをわかってもらえるだろう。(第一章 旧石器~古墳時代)
・ところでこの隋のよう帝の頃、聖徳太子は使いを派遣している。これが遣隋使だ。
607年 む(6) れ(0) な(7) してゆく遣隋使
この遣隋使の代表として有名なのが小野妹子だね。小野妹子はかの有名な小野小町や書道の達人小野道風の先祖にあたる人だけれど、聖徳太子から隋のよう帝への手紙を届けた。この手紙がスゴイ。(中略)「日出づるところの天子、書を日没するところの天子に致す。つつがなきや」(第二章 飛鳥~天武王朝時代)
・710年 天智天皇の四女、元明天皇は党の長安をモデルにして、奈良に都を作った。これが平城京だ。
な(7) んと(10) 立派な 平城京
万葉集に「あおによし 奈良の都は咲く花の におうがごとく 今 さかりなり」と歌われている。(第三章 奈良時代)
・十二単を身にまとい、百人一首にまとめられているような素敵な和歌を詠む。そんな優雅な貴族ばかりが印象にあるこの時代。平安時代はそんなに単純なものではない。日本の時代区分では一番長い時代であり、四つの時期に分けることができる。天皇親政→藤原氏摂関政治→上皇らによる院政→平清盛に代表される武士の台頭。
この時代の文化を国風文化とよぶのだけれど、ここでそれらを簡単にまとめておこう。何といっても忘れてはならないのは、かな文字に発明だ。それがなければ「源氏物語」も「枕草子」もなかったかもしれないからね。(第四章 平安時代)
以上、第四章まで。