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令和元年6月議会 一般質問詳報

2019年 6月 26日
さくら耳の猫ちゃん

さくら耳の猫ちゃん

6月13日(木)午前10時55分より一般しました。
今回は下記の3テーマで行いました。
1.糸島サイエンス・ヴィレッジ構想の今後の展開を伺う。DMOを中心とした観光産業とリンクできないか。
2.多文化共生社会構築の手本は市役所の窓口対応ではないか。
3.犬猫殺処分“ゼロ”の糸島市を目指そうではないか。

1. 糸島サイエンス・ヴィレッジ構想の今後の展開を伺う。DMOを中心とした観光産業とリンクできないか。
① アメリカのシリコンバレーと比較して、どのような糸島サイエンス・ヴィレッジ構想を描いているのか。命名した理由は何か。
<質問1>
只今、議長のお許しをいただきました。市民福祉常任委員、公明党の笹栗純夫です。
今回は、糸島サイエンス・ヴィレッジ構想を含め三つのテーマで質問します。
三つのテーマは、月形市長が3月定例議会初日に「平成31年度 糸島市 施政方針」で述べられた“1ランク上のまちづくり”を基調にしています。私なりに“1ランク上のまちづくり”をずーと考えてきました。糸島が大きく飛躍するには、今何をしなければならないか。思索を重ねてきて、市民の民様の貴重なお声や、糸島市が今踏み出さねばならないテーマを選定しました。
三つのテーマ、それぞれの事業規模は異なりますが、高低浅深の区別はありません。いずれも、すぐにでも着手すべき課題であると認識しています。
市長をはじめ執行部に置かれましては、簡潔で的を得た適格な答弁をしていただくよう希望いたします。
最初のテーマ“糸島サイエンス・ヴィレッジ構想の今後の展開を伺う。DMOを中心とした観光産業とリンクできないか。”でございますが、
要旨の1番目“アメリカのシリコンバレーと比較して、どのような糸島サイエンス・ヴィレッジ構想を描いているのか。命名した理由は何か。”と通告いたしました。
糸島サイエンス・パークと呼称せず、糸島サイエンス・ヴィレッジと銘打ったのは、何か狙いがあると直感いたしました。偉大な先進事例であるアメリカのシリコンバレーと比較して、糸島の地の利を最大限に発揮できる構想を描いておられることと推察致します。どのような糸島サイエンス・ヴィレッジを創ろうとしているのか、ご答弁願います。
<答弁1>
糸島サイエンス・ヴィレッジについては、九州大学の知的資源を実用化・事業化につなげる機能に加え、地域住民と研究者やその家族、学生等が自由に交流し、永続的に発展する「まち」を創っていきたいと考えています。
位置については、伊都キャンパス西側を考えており、今は森であるが、この森の中に一つずつ研究施設、交流施設、居住空間、生活支援施設、高等教育機関などが出来上がっていくイメージです。
これからの100年先を見据えて、糸島サイエンス・ヴィレッジを構築していくことにより、糸島の地から、新たなイノベーション(技術革新、経済発展)を巻き起こせればと考えています。

<質問2>
只今の答弁で、100年先を見据えた遠大な構想でることを確認することが出来ました。それでは何故、糸島サイエンス・ヴィレッジと命名したんですか?アメリカのシリコンバレーとどこが違うんですか?
市民の皆様が「よし!わかった!将来が楽しみだ!」と言っていただける分かり易いご答弁をお願いいたします。
<答弁2>
九州大学の教授の言葉を借りて答弁させてもらうと、 糸島サイエンス・ヴィレッジと命名したのは、人に主体を置き、地域住民や研究者とその家族、学生等が交流できる「和やかな場所・まちを創っていきましょう」というメッセージを込めました。
今回の構想は、どれだけ多くの人に参加してもらえるかが重要だと考えています。
幸いにも糸島には、海や山といった自然があって、食べるものも美味しいなど、世界から人を集めるだけのポテンシャルの高さがあります。常におもしろい人が集まってくる、魅力ある場づくりがどこまでできるかが、一番の課題となります。
糸島が好きで、ここで研究がしたいという強い気持ちを持った人たちに集まってもらえるよう、糸島の魅力を最大限に生かした、シリコンバレーとはまた違う、糸島サイエンス・ヴィレッジを作り上げていきたいと考えています。

②糸島サイエンス・ヴィレッジは民間主導型で構築すると伺っている。糸島市の役割は何か。市はどういう体制で臨もうとしているのか。⑥座組(プロジェクト体制)を強固ならしめるには、一流のプロジェクトリーダーの存在が欠かせない。体制構築を望む。
<質問1>
要旨の2番目「糸島サイエンス・ヴィレッジは民間主導型で構築すると伺っている。糸島市の役割は何か。市はどういう体制で臨もうとしているのか。」と要旨の6番目「座組(プロジェクト体制)を強固ならしめるには、一流のプロジェクトリーダーの存在が欠かせない。体制構築を望む。」は関連がありますので要旨の6番目と併せて、質問いたします。
要旨の2番目の前半の部分ですが、糸島サイエンス・ヴィレッジは民間主導型で構築すると伺っています。構築するスキーム(仕組み)は何ですか?その中で糸島市の役割は何でしょうか。
<答弁1>
構想段階であるが、事業スキームについては、事業に充てる資金(民間投資)を管理する部門と、実際に事業(ハード整備、研究事業等)を行う部門ができるイメージである。
そして、研究事業により実用化となった技術(サービス)を売り利益を得る仕組みである。もちろん、この利益が投資家に還元することとなる。
市行政は、土地利用の規制緩和や法的整備、地元住民や関係機関との調整、情報発信などを担う。
いわゆる、糸島サイエンス・ヴィレッジ事業の土俵をつくる役割となる。

<質問2>
要旨の2番目の後半部分「市はどういう体制で臨もうとしているのか。」は6番目の要旨に包含されますので6番目の要旨で質問します。座組(プロジェクト体制)を強固ならしめるには、一流のプロジェクトリーダーの存在が欠かせない。私はこのプロジェクトは兼務では難しいと思います。シンクタンク級の人材配置を望みます。総務課には弁護士資格をお持ちの担当課長を配置されています。市役所各部を統括し且つ、九州大学との連携ができ、企業を呼び込む意欲に長けた専任のプロジェクトリーダーの配置を望みますが、専任の人材配置について見解をお聞きします。
<答弁2>
7月初めに、準備委員会を立ち上げることとしており、その中で、事業スキーム、事業計画、実施体制等も、年度内に決定していく。
体制案としては、先ほど答弁した事業スキームを受けて、民間投資を管理するプロジェクトチームと、ハード整備や研究活動などの事業を実施するプロジェクトチームとなる。
なお、それぞれのチームは、SPCのような特定目的会社の形を取ることもあり得る。
もちろん、そのチームリーダーは、その知識と経験のある民間人が担う。

③地域版DMO認可が下りて、何が変わるのか。糸島市域が潤う仕組みが出来たか。3千万円投資した成果はいつ現れるか。
<質問1>
要旨の3番目ですが、通告通りズバリお聞きします。地域版DMO認可が下りて、何が変わるのか。糸島市域が潤う仕組みが出来たか。3千万円投資した成果はいつ現れるか。ご答弁願います。
<答弁1>
≪何が変わるのか≫
●糸島市観光協会の役割が大きく変わると考えている。
●これまでは、市内観光の案内やイベント情報の発信などを主体に行ってきた。
●今後は、これまでの役割に加え、「観光地経営」の視点に立った 観光まちづくりの中心的な役割を担っていく。
●このことについては、先日の観光協会の総会で会長自ら本市  観光まちづくりの核となる強い意思を表明された。

≪潤う仕組みができたか≫
●糸島市観光協会を核に、内外の人材やノウハウを取り込みつつ地域の多様な関係者と連携・協力する仕組みができた。
●このことにより、地域資源を最大限に活用し、効果的・効率的な 誘客や観光消費拡大に向けた戦略を立て、糸島市域が潤う観光地域づくりの取組を推進していく。

<質問2>
只今の答弁で観光庁の「地域DMO候補法人」に法人に登録され活動を開始された。成果は今から現れてくるとの答弁と受け止めました。観光産業を成功に導いた方々の成功体験もお聞きして参りました。分かったことがあります。それは観光産業だけでは生きていけないとういうことです。何か基幹産業とのリンクや、独自の付加価値を付けることで観光産業が発展すると確信していますが、執行部の見解をお聞きします。
<答弁2>
●1次産業における農業・漁業体験などは、本市観光の魅力を高める上で重要な資源の一つである。

●糸島市観光協会も、JAやJFと連携・協力して、農業・漁業などの体験型観光商品を開発する強い意欲を持っている。

●1次産業とリンクした本市ならではの観光メニューを確立することは、本市観光の付加価値、ブランド力の高まりに寄与し、観光産業がさらに発展するものと考える。

④糸島サイエンス・ヴィレッジと観光産業の柱の一つである地域版DMOを融合させ、東洋一の糸島サイエンス・ヴィレッジを構築しないか。
<質問1>
要旨の4番に入ります。ご答弁いただいたように、お金を地域に確実に落とす観光産業とするには、基幹産業などとのリンクもあり得るとの答弁をいただきました。糸島サイエンス・ヴィレッジと観光産業の柱の一つである地域版DMOを融合させることも選択肢の一つである思っていますが如何ですか。
<答弁1>
研究者にとって、研究環境だけでなく、生活環境、余暇環境も重要であり、そこで、本市の海や山などの自然や、食べ物が美味しいという環境こそが、心身に良い影響を与え、発想の転換につながるものと思っている。
また、研究者の家族にとっても生活を楽しめることにつながる。
そのようなことから、地域版DMOと連携し、糸島の余暇やリフレッシュの機会を提供していきたいと考えている。

<質問2>
ご答弁にありましたように、サイエンス・ヴィレッジ構想は今から始まるわけですので、観光が先走るわけには行かないことも十分理解しました。リンクもあり得るとの答弁と受け止めています。
観光産業で通告していますので、今から申し上げることも、選択肢の一つでは思います。
インバウンドの振興策の一環として、MICE(マイス)という誘致活動があります。私は観光産業の柱となり得るとの認識を持っています、MICE(マイス)とは、Meeting(国際会議)、Incentive tour(報奨旅行)、Convention (大会)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一つの形態です。参加者が多いだけでなく、一般の観光旅行に比べ消費額が大きいことに着眼しては如何と思います。見解お聞きします。
<答弁2>
●MICE開催を通じた効果として、宿泊、飲食、観光等の経済・消費活動の裾野が広く、滞在期間も比較的長いため、地域に大きな経済効果を生み出すことは、他地域の実績からも明らかである。
●福岡市に隣接する本市の優位性を生かし、MICE参加者が本市を訪れ、観光消費の拡大につながるよう、関係機関との連携を深めていく。

<質問3>
通告で“東洋一”と表現しました。なぜ、世界一と表現しなかったか。と申しますのは、シリコンバレーの中心都市・サンノゼ市にお住まいであった方々のお話も伺ってわかってのは、気候、風土、価値観などが異なるシリコンバレーと競争するのでなく、東洋のゲートウェイとして、東洋一の“いとしま”ならではの糸島サイエンス・ヴィレッジ構築を選択すべきではないかとの認識を持ちました。見解をお聞きします。
<答弁3>
現在、世界には400以上のサイエンスパークがあり、日本には「かながわサイエンスパーク」や「鶴岡サイエンスパーク」など、20を超えるサイエンスパークがある。
これらのサイエンスパークは、立地する周辺環境や地域性によってそれぞれの特徴があり、本市においても、オリジナルの糸島サイエンス・ヴィレッジを創っていきたいと考えている。
まずは、糸島らしいオンリーワンのサイエンス・ヴィレッジを創っていきたいと考えている。
その後、評価がついてくるものと思っている。

⑤シリコンバレーに匹敵するには、現地視察が不可欠と考える。先進地の視察を検討すべきではないか。
<質問1>
要旨の5番目に入ります。東洋のゲートウェイとして、東洋一の糸島サイエンス・ヴィレッジを構築しませんかの問いかけにも真摯な答弁をいただきました。並々ならぬ決意で取り組むとの思いが伝わりました。糸島サイエンス・ヴィレッジがシリコンバレーに匹敵するにはとの表現でございますが、去る3月29日(金)伊都文化会館 多目的ルームで開催された「組織対応型連携研究成果報告会」“九州大学とともにつくる100年先を見据えた糸島サイエンス・ヴィレッジ”に同僚議員と共に参加しました。そこでの熱いトークと参加者の反応から判断して“糸島サイエンス・ヴィレッジがシリコンバレーに匹敵する”という表現となりました。
前置きは、それぐらいにして立地環境が違います。アメリカ合衆国という多民族国家で価値観が全く異なる場所で今も成長を続けているシリコンバレーです。アメリカには投資文化が根付いています。日本には残念ながら投資文化が根付いているとは認識していません。であるならば、現地視察を含めた先進地の視察が必須だと思います。
そこで、まずは日本での成功事例を研究、調査されたら如何でしょうか。答弁願います。
<答弁1>
この構想を策定するにあたり、昨年度、石川県の「いしかわサイエンスパーク」と、山形県の「鶴岡サイエンスパーク」の視察を行いました。

<質問2>
まずは理工系で国内の成功先進事例地に行って、何で成功したのかプロジェクトが機能するには、どういう組織で誰がけん引したのか、しっかり学ばなければならないと思いますが、その意向があるかどうかお答え下さい。
<答弁2>
現在、研究段階から準備段階に入っているところです。
その中で、必要があれば理工系をはじめとした成功事例なども参考にさせてもらいたいと考えている。

⑦糸島サイエンス・ヴィレッジ構想に対する市長のご決意を伺う。
<質問>
部長が答弁された発言は、月形市長が了承されての発言と認識しています。このテーマの最後は、糸島サイエンス・ヴィレッジ構想に対する市長のご決意を伺います。
<市長答弁>
この度、九州大学のお力をお借りしまして、「糸島サイエンス・ヴィレッジ構想」を策定することができました。
この構想により、九州大学の持つ「知的資源」と「若い力」、そして糸島の持つ地域資源をうまく融合させて、“人”を主役にしたオンリーワンのサイエンス・ヴィレッジが構築できるものと確信しております。
また、魅力的なサイエンス・ヴィレッジを構築することで、更に、世界からさまざまなスキルを持った、優秀な人たちが集まってくることが期待できます。
糸島市としましては、市民の皆さまに、なるべく早い段階で、この成果を還元できるよう、九州大学や産業界、金融業界、また地域との連携を密にして、確実に取組を進めてまいります。
そして、このことが、本市が100年の大計で進めている、真の学術研究都市づくりにつながっていくものと考えております。

2.多文化共生社会構築の手本は市役所の窓口対応ではないか。
①糸島市在住の外国人の人数・割合と市役所窓口で相談される内容は何か。
<質問1>
2つ目のテーマに入ります。糸島市在住の外国人の人数・割合はどのようになっていますか。お尋ねします。
<答弁1>
5月末現在、外国人の人数は1,102人で、全人口の1.08%です。

<質問2>
市役所で相談される窓口は限られていると思われます。その窓口と相談内容はどういった内容ですか。ご答弁願います
<答弁2>
市役所で相談される窓口は、市民、福祉、医療保険、教育など、生活に関連した業務がほとんどです。

②糸島市職員で、外国語が話せる職員は何名か。相談が多い窓口に、外国語が話せる職員を重点配置しているか。
<質問1>
要旨の2番目、
糸島市職員で、外国語が話せる職員は何名でしょうか。英語、ベトナム語、中国語など詳細にお聞かせ下さい。
<答弁1>
外国語を話せる職員は13人で、内訳は、英語9人、中国語2人、韓国語2人となっている。

<質問2>
相談が多い窓口に、外国語が話せる職員を重点配置しておられますか、ご答弁願います。
<答弁2>
語学力を有する職員全てを窓口業務に重点配置はしていない。窓口で外国語が必要になった場合は、状況に応じて外国語を話せる職員の応援によって対応しているところである。

②会話できても相手に理解してもらえないケースがあるのではないか。手話通訳者を常駐しているような(仮称)国際総合窓口を設置しないか。
<質問1>
英会話の堪能な職員が相談者とお話しても理解してもらえないケースもあるのではないでしょうか。具体的事例をご紹介下さい。
<答弁1>
医療保険、税等は制度そのものの説明が難しく、説明に時間を要していますし、理解していただくことに苦慮する場合もあります。

<質問2>
日本に行ったら子どもを保育所に預け仕事ができるとレクチャーを受けて来日された外国人に、待機児童や入所順番待ちのことを理解してもらうのは、いくら英会話が堪能でも、日本の規則や日本での常識を理解していただくのは大変だろうと思います。そこで通告していますように、手話通訳者を常駐しているような(仮称)国際総合窓口を設置して対応することが選択肢の一つではないかと考えますが如何でしょうか。経験を重ねていただいて、そこでスキルアップしていただいたが良いと判断します。ご答弁願います。
<答弁2>
市民課の総合案内に英語が堪能な人材を配置し、各課への案内をしておりますが、全庁的な付き添いや相談業務までは行っていません。
先程答弁しましたように医療保険や税等の説明には、時間を要しておりますし、今後、外国人就労者が増えることで家族同伴の方も増えてくることが考えられます。そうなれば手続きや相談等が増えると思われますので、将来的には全庁的な対応策の検討が必要になると考えています。

④一次的な対応で、翻訳ソフトアプリの活用も考えられる。職員研修で外国語会話力向上のカリキュラムを設けないか。
<質問1>
通告の4番目に移りますが、窓口で翻訳アプリを活用されていれば、どういう手続きや相談で活用されていますか。
<答弁1>
市民課に2台、子ども課に1台、翻訳機能があるタブレットを配置していますが、実際には、ご本人が使っているスマートフォンの翻訳アプリで対応することがほとんどです。
身振り手振り、カタコトの外国語でコミュニケーションを図りながら、手続きや制度に関する専門用語は翻訳機などを活用している状況です。

<質問2>
翻訳アプリが多くの言語に対応しているとの答弁をいただきました。ツールとしては、非常に便利なものとの思います。その使い方を否定するものではありません。しかしコミュニケーションは相手の目をみて、心を通わせることが重要だと考えます。そこで通告していますように、職員研修で英会話を主とした外国語会話力向上のカリキュラムを設けないかとの提案であります。
英会話が世界共通言語となるのは、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックを契機にさらに加速すると想定しています。執行部の見解をお聞きします。
<答弁2>
語学力の向上は、窓口業務等に非常に有効であると考える。しかしながら、語学力向上の研修によって、窓口対応(日常会話)ができるまでには相当の時間と労力を要し、かなりハードルが高いと考えている。
ただ、過去には、市役所の英会話の自主研究グループに対して補助するなど、自己啓発の一環としての語学力習得の支援をしてきたところである。今後も、職員の語学力の向上には前向きに取り組んでいきたい。
近年では、翻訳アプリも急速に進化してきており、費用対効果を考えると、更なるICT機器を活用した窓口対応も検討していきたいと考えている。

⑤職員採用試験で語学力の高い職員採用を考慮すべきではないか。
<質問>
5番目の要旨「職員採用試験で語学力の高い職員採用を考慮すべきではないか。」と通告しました。その心は最初のテーマ“糸島サイエンス・ヴィレッジ”を念頭においています。企業進出していただくお相手は、全世界が相手です。であればせめて世界共通言語とも言われている英会話能力に合わせて、できればもう1言語、会話が出来る職員が望まれるわけですが、職員採用にあたって、外国語会話能力を考慮できないか、お尋ねします。
<答弁>
職員採用に当たっては、語学力についての要件は定めていない。
特に外国語に優れた職員ということではなく、市民本位であること、広い視野を持つこと、創造志向や実行力、改革意識など幅広い能力を有する職員を求めている。
外国語にも優れた優秀な人材は必要であると考えており、採用にあたっては、面接等において語学力を含めたところで、総合的に判断していきたいと考えている。

⑥消防・救急119は多言語対応しているか。状況を伺う。
<質問1>
本テーマの最初に外国人居住者の割合をお聞きしました。
世界一、少子高齢化が進む日本で労働力不足を補っていただくのは、間違いなく外国の方のお力を借りるしかありません。その意味でも、命綱ともいえる消防・救急119は多言語対応しているか、非常に気になるところです。現状はどうなっているのでしょうか。
<答弁1>
救急現場では外国人の方に対して、人体図等が記載された外国語表記の救急情報シートを活用して、身体の部位及び症状等を指さしてもらい、対応する措置をとっております。
また、本年5月1日から、通訳業者と消防・救急業務の多言語対応に係る委託契約を締結し、運用を開始しています。
概要としましては、119番通報時には、指令員、通報者、通訳業者の三者間通話で通報内容を確認します。
救急現場では、携帯電話で患者と救急隊員が交互に通訳業者と通話し、症状等を確認し対応していきます。
なお、対応可能な言語は、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の5ケ国語でございます。

<質問2>
救急隊員、患者、通訳者の三者間通話で、的確に対応できているとの答弁、外国人居住者の方に安心していただくために周知が不可欠と考えますが。どのように周知を図られますか。答弁願います。
<答弁2>
周知方法としましては、市ホームページ、広報誌への掲載、及び外国語対応のQRコード付119番通報ガイドを窓口に備え付け、さらに担当課と連携して、市内各事業所、宿泊施設、飲食店等にこのガイドを配布していきます。
今後も、できる限りの手段を講じ、広く周知を図ってまいります。

<質問3>
市役所窓口と比較して、より緊急性が求められる現場での対応も出てまいります。救急現場でのコミュニケーションが欠かせません。外国語の会話力向上のための研修が必要と思われますが、消防署職員の語学力向上研修をするお考えがあるか答弁願います。
<答弁3>
現在、多言語通訳導入を機に、外国語ができる職員を指導者として、多言語対応の受信訓練等を行っております。
特に救急業務においては、症状や病歴等の確認を行うため、専門的な用語の知識が必要となりますので、今後もこれ等に対応するための研修や訓練を積極的に行ってまいります。

3.犬猫殺処分“ゼロ”の糸島市を目指そうではないか。
①犬猫殺処分については福岡県が事業窓口との認識を持っているが、糸島市の犬猫の殺処分件数を把握してあれば、ご教示いただきたい。
<質問>
三番目のテーマに入ります。“犬猫殺処分“ゼロ”の糸島市を目指そうではないか。“と通告しました。17年前、議員に当選した翌日の朝、電話が入りました。「近所の犬の鳴き声で眠れません」というのが市民相談の第1号でした。
私は転勤族で熊本か20年前、前原市北新地の社宅に愛犬と一緒に引っ越してきました。19年前、新聞のチラシ広告で“前原市で、犬猫と住めるマンションが。初めてお目見え”との見出しに心を惹かれました。
転勤族で一生、社宅、借家で良いと思ってた私ですが、愛犬と離れることが出来ずマンションを購入しました。
私の人生は愛犬とともに生きてきました。振り返ってみると、人生の大きな買い物である我が家も持とうとした動機付けしてくれたのは愛犬“さくら”ちゃんです。
議員になって17年間、いつ「犬猫殺処分“ゼロ”」を言おうか思いあぐんでいました。今年になって猫に関する市民相談をお受けしました。問題解決のため、糸島保健福祉事務所を訪れました。県職員の対応の素晴らしさ、動物愛護の精神がビンビン伝わりました。地域猫活動のお話もしっかり教えていただきました。一般質問で取り上げようと腹が決まりました。
少し、前置きが長くなりましたが、2013年施行の改正動物愛護法で都道府県など自治体は「殺処分をなくすことを目指す」という条文が盛り込まれました。通告どおり、犬猫殺処分については福岡県が事業窓口との認識を持っていますが、糸島市の犬猫の殺処分件数を把握してあれば、ご教示下さい。
<答弁>
本市の犬猫の殺処分数は、把握しておりませんので、動物愛護センターへ搬送した犬猫の件数でお答えをいたします。平成28年度が80頭、29年度が59頭、30年度が47頭で、年々減少している状況でございます。また、県内の市町村から、動物愛護センターに搬送された犬猫のうち、約80%が殺処分されている状況です。

②福岡県が推進してきた地域猫対策事業の糸島市での事業展開状況を伺う。成果を把握してあるか。この活動で猫の殺処分件数は減少したか。
<質問1>
まず、地域猫対策事業について、どういう取り組みか。糸島市における活動状況と県内で進んでいる自治体はどこか。どういう取り組みをされているかお答えください。
<答弁1>
地域猫活動支援事業は、特定の飼い主がいない猫を地域住民の認知と合意のもと管理するもので、具体的には、特定の飼い主がいない猫の不妊去勢手術を行い、地域住民やボランティア団体が決まった場所でエサを与え、地域全体で猫を見守り、一代限り生を全うさせるものです。本市における活動状況は、これまで市内6地区で実施しています。
平成30年度に地域猫活動支援事業に取り組んだ自治体は本市の他に、古賀市など12団体あります。

<質問2>
糸島市の地域猫対策事業で成果は出ているか。成果を把握してあればご報告下さい。またこの活動で猫の殺処分件数は減少したのか答弁願います。
<答弁2>
事業の成果は、地域猫活動支援事業を行っている地区からの猫の苦情件数の減少や動物愛護センターへの搬送件数が減少していることから、一定の効果があったものと考えております。

③東京都をはじめ、全国の自治体で犬・猫殺処分”ゼロ”を目指しているのは何のためか。
<質問>
要旨の3番目、東京都をはじめ、全国の自治体で犬・猫殺処分”ゼロ”を目指しているのは何のためか。ご答弁願います。
<答弁>
全国の自治体で犬・猫の殺処分ゼロを目指していますが、これは、すべての人が「動物は命あるもの」であることを認識するとともに、命を大切にし、人と動物が共生する社会を実現するためです。

④地域猫対策事業で福岡県は予算化している。市が申請するためには、糸島市が補正予算を組まなければならない。地域猫の要望が出た場合、補正予算を組むのか。
<質問1>
県の事業の多くは、市町村が主体となって実施していただきたい事業の火付け役が多いとのお話を伺いました。地域猫活動支援事業は福岡県が三カ年事業として、地域猫対策事業を自治体が主体となって進めてもらうため、獣医師会のご協力もいただいて、不妊・去勢手術費用の全額を福岡県が負担していましたが、福岡県の思惑通り進まなかったようでございます。よって自治体が予算措置を取れば、通告していますように、地域猫活動支援事業で福岡県は予算化をされています。市が申請するためには、糸島市が補正予算を組まなければなりません。地域猫の要望が出た場合、補正予算を組まれるのか。ご答弁下さい。
<答弁1>
福岡県は、本年度から補助金として予算化しており、本市でも地域猫活動支援事業として地域で協議が整えば、補正予算をお願いし、対応したいと考えております。

<質問2>
ご答弁いただいたように、地域で協議が整えば、補正予算を議会に上程されると受け止めました。県が自治体に対して不妊去勢手術費用が助成されることになるんですが、助成金額が気になるところです。ご答弁願います
<答弁2>
不妊去勢の手術費用につきましては、県の100%補助となっております。

⑤動物にやさしい糸島づくりをするためには、学校教育の役割が大きいと考える。見解を伺う。
<質問>
要旨の5番目は教育委員会にお尋ねします。
1ランクアップの糸島、世界から注目される糸島を目指し、自然豊かな糸島は、人にも、動物にも優しく、世界一暮らしやすい都市と銘打ち、発信しませんか。地域猫サポーターの方が福岡教育大学付属小学校の4年生を対象にゲストティチャーとして授業されたお話を伺いました。4年生が一番感受性に優れていて、その授業が子どもの心に深く刻印されているとのことです。糸島市でも、やってみませんか。地域猫サポーターさんにお聞きすると、糸島市からは要請がないと聞いています。現在、動物愛護に関して、動物にもやさしい糸島づくりをするためには、学校教育の役割が大きいと考えます。見解を伺います。
<答弁>
地域猫活動支援事業は、地域の理解とサポーターの協力がなければ事業はできません。福岡県では地域猫活動サポーター事業を行っており、登録制で県と委託契約を結んでいるサポーターに地域猫活動の協力をいただいています。今後、県と協力してサポーターづくりに努めていきたいと考えております。

<コメント>
教育が間違いなく人を作ります。その人づくりを地道にしていけば、自然と糸島に移り住みたいという風土になる
と確信いたします。

⑥地域猫対策事業などの動物愛護活動は、地域のコンセンサスを構築する努力が欠かせない。地域猫サポーターづくりをしないか。

<質問>
最後の質問に入ります。福岡県の職員に方、地域猫サポーターの方からお話を伺いました。すなわち、サポーターさんが望まれるのは、命を無駄にしない、命を滅することすなわち犬猫殺処分に税金を使って頂きたくないとの熱い気持ちでした。糸島市には有難いことに、他の自治体より地域猫サポーターが厳然とおられます。その方々の思いを汲み取り、犬猫殺処分“ゼロ”を目指す意味からも、先陣を切って活躍されている方々のお力も頂戴し、地域猫サポーターづくりを加速して取り組みませんか。ご見解をお聞きします。

<コメント>。
真摯な答弁に感謝申し上げます。
議員になりまして17年が過ぎました。地域猫活動もしていない私が質問いたしました。日々、活動されている皆様の思いの何万分の一でも共有できたのかなと思っています。
有難いことに、地域猫サポーターの方から次のようなメールを頂戴しました。
「私は常に、万物の霊長という任を頂いた人間は、地球上に存在する全てのものを、護り育む役割があるのだ、と認識しています。日々、とてつもない数の「命」を頂いて生きている我々ですから、無用な殺生はしないに越したことはない」と。
また、「時代は間違いなく、小さな命を見捨てない機運になってきていると感じます。どんな「命」であっても、生まれてきた以上は生きてていいんだ、という認識の世の中になってくれることを願います。」と言っていただきました。
非常に重たい言葉です。本当に感動いたしました。

4.結び
結びに、私は17年間、発言する勇気がなくて一般質問出来なかった“犬猫殺処分ゼロ”をテーマに取り上げました。私の背中の大きな荷物をやっと下すことが出来ました。
私は本日の読み上げ原稿を5月31日(金)に書き終えました。5月31日は令和に元号が変わり一カ月が経過した日でありました。丁度、5月31日はアメリカの偉大なる詩人ウォルト・ホイットマンの生誕200周年の日でありました。私は青春時代に幾度となくウォルト・ホイットマンの「草の葉」の力強い言葉に奮い立ちました。
最後に、私の人生の指針ともなった「草の葉」の一節を朗読します。
「さあ、出発しよう! 悪戦苦闘をつき抜けて! 決められた決勝点は取り消すことができないのだ」
以上をもちまして、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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